日記 2006年12月
2006年12月24日
騎手として最高に幸せです
ディープインパクトの大団円。これほどの名馬に、生涯で2度も敗戦の苦い思いを味わわせてしまったのが申し訳ないと思えるほど、今日のディープインパクトのレースぶりは完璧でした。素晴らしい、をいくつ重ねても足りないぐらい、強い内容を残せたと自負しています。もちろん、自分の騎乗にも大満足です。
泣いても笑ってもこれが最終戦でしたから、プレッシャーはもちろんズッシリとした重さとして感じていました。そのご褒美でしょうか、乗り越えたところにあったものは喜びに満ちていました。皆さんの心からの応援もうれしかったですし、ディープインパクトの頑張りにも感謝。ボクはいま、騎手として最高に幸せです。
日が完全に落ちて、真っ暗になってから行なわれた引退式も幻想的で素晴らしかったです。お披露目のために、地下道で再びディープにまたがったとき、彼は「もう一回レースをするの?」とうれしそうな顔をしたような気がします。それほど、走ることが大好きな馬だったと思います。
寂しいですが、新しい門出を前向きに送ってあげようと思います。ファンの皆さんには、最高のクリスマス・イヴをお届けできたのではないでしょうか。本当にありがとうございました。
2006年12月20日
感慨の中で納得の最終追い切り
今週の有馬記念を最後として、レースではもう乗ることができなくなるディープインパクト。この馬との2年間は、まさにディープインパクトを中心としての競馬生活でしたから、柄にもなく感慨という言葉が口をついて出てきそうになります。
今日は、そのラストランに向けての最終追い切り。かりに手加減したとしても、完璧主義者の池江先生のことですから、前日にでも足りない分を追うでしょう。今朝はボク自身の手でビシッとやっておきました。馬自身がジャパンカップのときよりも精神的に楽になっているようで、最後は気を抜こうとしていたほど。そこに肩ムチが入れられたので、まさにちょうどいい感じになりました。納得の最終追い切りです。
たくさんの人に応援してきてもらった、歴史に残る名馬ですから、最後の有馬記念は思い残すことがないようにしっかり乗ります。こんな素晴らしい馬と出会えた幸せに報いるためにも、ディープインパクトの強さの集大成というものをレース内容で示すしかないでしょう。
皆さん、楽しみにしていてください。
2006年12月17日
これがディープインパクトだ、という競馬を
土曜日はアドマイヤキッスが見事な走りをしてくれました。古馬にまじって56キロのハンデはきついと思っていたので(牡馬換算なら58キロということです)、着差以上に余裕のある勝ちっぷりは強いの一語に尽きます。これで、来年が楽しみな馬がまた1頭増えました。
阪神カップのマイネルスケルツィは初めての騎乗。イメージしていたより前向きな気性で、レースでも前半は行きたがりました。ようやくなだめられたかな、と思ったところへ動いてきた馬がいて、そこでまたガツンとハミを取ってしまったのが最後に甘くなった原因でしょう。こちらとしては、あと数秒じっとしていてくれたらと思うところですが、実戦ですから仕方がないところでしょうか。あわよくば土日で重賞連勝を狙っていただけに、残念でした。
さて、06年の中央競馬もあと1週を残すのみとなりました。中山ではディープインパクトのラストランとなる有馬記念のために早くも行列ができているそうで、大いに盛り上がりそうです。これがディープインパクトだ、と言えるような競馬をお見せするつもりで、気を引き締め直して臨むつもりです。ご期待ください。
2006年12月10日
有馬記念での騎乗は問題なさそうです
香港カップのアドマイヤムーンは本当に惜しい競馬。読み通りの展開になり、4コーナーに向くところでは確かな手応えを感じていました。直線でムチを1発入れたときに、珍しく気難しさを出したので、そのあとは腕で押す追い方に切り換えましたが、それは大きな誤算ではありません。結果的にハナ差だけ届かなかっただけで、レースとしては最高の内容だったと思っています。ただ、プライドは本当に強くなったなと思います。特に並んだときのしぶとさはさすがです。アドマイヤムーンに関して言えば、これからがますます楽しみになりました。来年に夢がつながる1戦だったと思います。
アドマイヤメインと、ダンスインザムードは、なぜか勝負どころの反応が鈍かったですね。どちらも状態は文句なしだったと思うのですが、力を出し切れずに終わりました。海外遠征の難しさかもしれません。
水曜日のジョッキーズシリーズは、最後の3戦目で勝っていれば優勝というところまで行きました。結果は総合4位でしたが、十分に楽しめましたね。振り返れば、2戦目の4着が悔いの残るところで、あれが3着なら、もっともっと楽しめていたかもしれません。また、最終戦は落馬事故があり、審議の対象はなんとボク。6日間の騎乗停止という発表があとから出ましたが、有馬記念の騎乗までは問題ないという注釈がついていたことでちょっとホッとしています。裁定はいまだに流動的なようなのですが、とりあえず、それより重いものにはならない感じではあります。
2006年12月03日
運が悪過ぎました
アストンマーチャンは、本当に惜しい競馬でした。折り合い面を心配していたわけですが、その点は馬が自分自身のセンスで易々と克服してくれていました。あそこまで行ったら押し切りたかったわけですが、最後は勝ち馬の男勝りの迫力に圧されてしまいました。でも、マイルまでは大丈夫。春に期待が膨らんだ、と考えることにします。
ワールドスーパージョッキーズシリーズは、毎年のことながらクジ運が悪過ぎました。もうちょっと楽しみたいというのが本音です。
来週は香港で同じ趣旨のシリーズがあります。今度こそ、いいクジを引きたいし、週末の国際レースでもいい結果を残してきたいものです。

