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日記・コラム

日記 2005年10月

2005年10月26日

関西の強さの秘密

 ビッグレースを勝った翌週、栗東トレセンに行くのはかなり気分がいいものです。今週は今日が初の顔出し。本当は火曜日も行くつもりだったのですが、祝杯続きで肝臓が疲れている感じがしたので今日まで我慢していました。期待通り、心からの「おめでとう」と、握手、握手。この連帯感が関西の強さの秘密のひとつなのではないかと、ひそかに思っています。

 ディープインパクトの3冠達成は、競馬ブームの再来を思わせます。このせっかくの盛り上がりをしぼませないように、今週も来週もいい競馬を続けて行かなければいけません。みんな張り切っています。

 ちょっと残念だったのは、菊花賞を見に来ていただけた知人から苦言が寄せられたことです。昼過ぎには場内の食堂はすべて売り切れ状態で、売店のお菓子や飲み物まで完全になくなったのだそうです。13万人という人出を読み切れなかったのがその原因ですが、せっかくいらしてくださった新しいファンに嫌な思いをさせてしまったとあれば、反省が必要でしょう。ただ、そういうお話ができたというのも、ディープインパクトの功績ではあるのですが。これからは、競馬ファンの心をつかむためのきめ細かい策が必要と感じています。もちろん、ボクら騎手も考えなければいけないことです。

 さあ、今週は天皇賞です。ボクのリンカーンは、坂路の追い切りもよく動いたようです。G1を勝ちきるにはなにか一つ物足りない気もしますが、そこをなんとかするのが仕事です。精一杯頑張ります。

2005年10月23日

ディープインパクトファンの皆さん、おめでとうございました!

 今日の京都競馬場は、最近では例がないぐらいの多くのファンで埋まりました。第1レースから地鳴りのような大歓声。ほとんどの方がディープインパクトの3冠達成の瞬間を見届けに来られたのでしょうから、そう考えてしまうとプレッシャーがかかりました。でもボクがそんな気持ちではいけません。文字通りの「負けられない戦い」でしたが、できるだけそう思わないように、レース前は自分自身をできるだけ平常心に近づけるように心がけていました。

 それだけに、勝った瞬間は最高にうれしかった。ホッとした、というよりも、正直な気持ちでうれしかったですね。前半はロスの多い運びになり、明らかにいつもとは違うディープインパクトでしたが、それでも勝つのですから本当に凄い馬です。感服しました。

 ゴール板を2回通る競馬は初めてだったので、やっぱり1周目は行きたがってしまいました。賢い馬なので、これがあるのではないかと危惧していたので、予想通りといえばそうなのですが、いざその局面になったら、「頼むからゆっくり走ってくれ」と祈るしかありません。最初の4コーナーを回るときにグンと行きそうになったときは、ホント、冷や汗ものでした。でも、向こう正面あたりではもう1周あるということに納得してもらえたようで、そこからはまさにディープインパクトでした。残り550mぐらいのところでゴーサインを出したのですが、反応も確かで、あとはご覧の通り。大歓声が心地よく聞こえるぐらい、気持ちにゆとりもありました。

 この3冠は本当に重みがあります。ボクとしても、この栄誉は引退しても威張れるものだと思うので、今夜はひたすら喜びにひたるつもりです。最後に、全国のディープインパクトファンの皆さん、おめでとうございました!

2005年10月19日

「ナマでディープインパクトを見た」と自慢できるように

 ディープインパクトの追い切り。いったいどれだけのカメラが狙っているんだろうという、ちょっと異様な雰囲気の中でのそれでしたが、馬は平気な顔でいつも通りのフットワークを刻んでくれました。この馬だけは、追い切り時計がどうだったのかとか、細かいことがまったく気になりません。いつもと同じディープインパクトがいてくれたことが確認できればそれでよしです。日曜日の京都競馬場には、できるだけ多くの方にいらっしゃっていただきたいと思っています。何年か、何十年か先に、「あのとき、ナマでディープインパクトを見た」と自慢できるはずですから。

2005年10月16日

自然ににやけてしまうぐらい、うれしい勝ちです

 エアメサイアが大仕事をやってくれました。自然ににやけてしまうぐらい、うれしい秋華賞勝ちです。

 前哨戦のローズSで負かすことができたとはいえ、ラインクラフトはかなりの難敵。前走は向こうが折り合いに苦労していたのに対して、こちらはスムーズな競馬。それでいて一度は諦めかけたほど離された場面がありましたから、今回も勝つのは大変と思っていました。少なくとも、ボクが1回でもミスをしたら勝つチャンスはないだろうと気を引き締めていました。それだけに、この結果は本当にうれしいです。福永君のラインクラフトも完璧な勝ちパターンで運んでいたのが見えていましたから、それをゴール寸前で捉えられたというのは価値が高いと思います。立派なG1ホースになれたわけです。

 これで、地方でのそれと合わせて、今年のG1を8勝目。年頭に目標として掲げてしまった「1年間でG1を10勝」という数字がちょっと見えてきました。決してハッタリで言ったわけではなく、ボク自身計算もしていたのですが、現実に近づいてくるとわれながら「おおっ」という気持ちになるものですね。

 来週はもっと大きな仕事が待っています。ディープインパクトと一緒に、たくさんの人たちの夢をかなえるつもりです。

2005年10月12日

G1恒例の共同記者会見で

 エアメサイアの追い切りで栗東トレセンへ。いつものように、坂路で余力を十分に残した内容になりましたが、動きは文句なし。ここへ来て、力をメイキメキとつけていることが実感できました。
 
 G1恒例の共同記者会見は、ボクが先で、ユーイチ(福永騎手)があと。終わって下へ降りてみるとちょうど彼がいたので、「調子はいいけど、相手(ラインクラフト)の実績が一枚上手ですからって言っておいたから」と言うと、彼は一瞬しかめっ面を作ったあとで、「馬の実績はこっちが上かもしれませんが、騎手は向こうが断然上ですからと言います」と、返してきました。もちろん、ほとんどがジョークなのですが、G1らしい腹の探り合いは早くも始まっているのです。
 
 今年のG1は、福永君との戦いになることが非常に多い気がします。今回も、きっといい競馬になるような気がしています。

2005年10月09日

リンカーンに求めていたものが備わりました

 リンカーンが京都大賞典でしっかり勝ってくれました。かなり遅いペースで推移したこともあって、ようやく折り合いがついたのが2コーナーを回ったところ。それがこの馬の大きな課題でしたから、その時点で「ひとつクリア」という気持ちでした。もっともっとうれしかったのは、4コーナーをもたつくことなく回ってくれたこと。いいタイミングで抜け出したように見えたコイントスとの間を、一瞬で詰めて並びかけられたのは大きな進歩でした。ここさえスムーズなら、G1でも勝負できるだけのものはもともと持っていた馬です。天皇賞の直前のレースで、求めていたものをついに持ってきてくれたというのが、なんともいい感じです。

2005年10月05日

サムライハートの復活に期待大

 秋華賞の1週前追い切りで栗東へ。といっても、エアメサイアには笹田調教助手が乗ったので、ボクは2階の調教師スタンドで伊藤雄二先生と一緒にモニターで動きを見ていただけでしたが。昨日から降り続いた雨の影響で坂路は相当に走りにくいコンディションだったはずですが、しっかりと好調ぶりをアピールしていました。もちろん伊藤先生も満足そうでした。

 追い切りに乗ったのはサムライハートと、これからデビューする新馬。新馬はともかく、サムライハートは抜群の動き。元々期待していた血統馬ですから、長期休養明けでも大いに期待したいですね。

 先週のスプリンターズSのアドマイヤマックスは、あまり惜しくない3着。前を捕まえきれず、後ろに差されての結果ですから、気持ちはサバサバしたものでした。