日記 2005年3月
2005年03月27日
恵まれただけで勝てるほど、G1は甘くありません
大外18番枠を引いてしまった高松宮記念は、実は戦う前に開き直っていました。馬ごみの中に入れないといろんな意味でまずいアドマイヤマックスですから、最悪の枠順と落胆していたのです。それでも、こうなったら面白くなるという、ある意味で自分勝手なシナリオは描いていたのですが、実際にそれが目の前で展開したときはびっくりしました。こんなにうまく行っていいの? という気持ちでした。それでも最後の弾けたような伸びはマックスの実力。恵まれただけで勝てるほど、G1は甘くありません。
2005年03月23日
高松宮記念はアドマイヤマックスに乗る予定
高松宮記念はアドマイヤマックスに乗る予定。今朝はその追い切りで栗東トレセンに来ました。追い切りは動く馬なので、好タイムを出したとは言っても特に絶好調とも思いません。中京の1200mという条件で、馬群をさばききれるのかどうか、というのが正直なところです。追い切りのあとは、年に一度の健康診断。結果が出るのは少ししてからですが、昨年は「文句のつけようがない健康体」と言われていますし、今年はそれ以上に状態がいい自信があります。骨折したときには「いい骨してますねえ」と感心もされたほどですから、まさに骨のズイまで折り紙付きの体をもらっているボクです。両親に感謝しなければいけませんね。
日曜日は岡部さんの引退を見送るために(?)中山競馬場へ行ってきましたが、本当にいい雰囲気でした。岡部さんは引退レースというのを特に設けずに、引退届けを出し、スーツに着替えて最後の儀式に臨んだわけですが、こういう終わり方もいいもんだなあと思いました。ファンの皆さんが、最終レースが終わってからというのに、ずっと見送ってくださったのが印象的でした。
翌月曜日は高知で黒船賞に騎乗。マイネルセレクトが2馬身差で勝ってくれましたが、3コーナーからずっと追い通しで厳しい競馬でした。まだ本調子にない感じがしましたが、それ以上にほかの馬が動けなかったようです。
2005年03月15日
36回目の誕生日に嬉しいニュースが飛び込んできました
36回目の誕生日。干支を3周もしたわけで、気がつけば、いつの間にか周囲は後輩ばかりになってしまっています。でも、気持ちはデビューのころからあまり変わっていませんし、体も年を経るごとに逆に思い通りに動かせるようになっているほどです。大きなケガをしたことをきっかけに、体の手入れをしっかりする習慣が身についたのがよかったようです。岡部さんが56歳までトップを保ち続けたのは本当に立派なこと。ボクも大先輩を見習って、干支を5周するぐらいまで乗り続けたいと思っています。
誕生日プレゼントか、と思うようなうれしいニュースも飛び込んできました。ゼンノロブロイの騎乗依頼がやってきたのです。宝塚記念のあと、英国のヨーク競馬場で行われる「インターナショナルS」(8月16日、芝2080m、G1)に向かうそうですが、その騎乗を頼まれたのです。もちろん快諾させていただきました。宝塚記念は「ケント(デザーモ)が来れなくなったときにね」と、藤沢先生。楽しみは夏以降ということになりそうですが、現役最強馬に乗れるというのは、ジョッキーとしてこれ以上うれしいことはありません。
2005年03月13日
河内調教師の初陣に騎乗&FRの感想
フィリーズレビューのエアメサイアは、見せ場十分の3着。絶対的に短いと思われた1400mで、首の上げ下げの勝負にまで持ち込んだのですから大きな価値がありました。
今週、一番緊張したのは土曜日の3R、ミッドナイトトークに乗ったときでした。そうです、河内さんの調教師としての初陣です。パドックで、河内さんに足を上げてもらったときの感触は、このあともずっと覚えていそうな気がします。結果は2着で白星発進とはいきませんでしたが、競馬のなにもかもを知り尽くしている兄デシですから、きっと素晴らしい厩舎を作ることでしょう。ビッグレースで河内調教師に足を上げてもらえる日を楽しみにしています。
2005年03月10日
色んなことを考えてしまう一日になりました
すべてのジョッキーの目標として長い間輝いていた岡部幸雄騎手が、きょう引退の記者会見をされるという。本当になにもかもすごい人で、早くから海外に目を向ける姿勢にボクも大いに刺激されました。岡部さんでなければ成しえなかった勝利や、記録もたくさんありましたし、一緒に乗っていて、こんな急にやめるなんて想像もしていませんでした。残念、というよりも、本当にご苦労様でしたと言いたいです。
初めてアメリカのデルマー競馬場に行ったときのこと。「お前は日本人か? それならカベという名騎手を知っているだろう」と、初老のホースマンに話しかけられたことを思い出します。あのとき、岡部さんほどの人でも、世界に出たらこうやって地道に地盤を築いているのだなと感心したものです。大きな存在感があった人の引退の知らせに、色んなことを考えてしまう一日になりました。
2005年03月07日
ディープインパクトについて
ディープインパクトが、期待通りの走りで弥生賞を快勝してくれました。長距離輸送を苦にする馬がまれにいるので、その点がどうかなと思っていましたが、いつも通りの姿で出てきてくれたのがまずよかったですね。次に繋がる競馬を、できれば勝利を、と思って臨んだレースでしたが、それも完璧な形でクリア。皆さんが思っているように、相当な逸材であるのは間違いありません。でも、まだまだ良くなる余地を残している馬ですし、このあとも順調に成長していってほしいというのが正直な気持ちです。
今年は、誰が見てもディープインパクトが抜けている、ということなのでしょうか。ボクとコンビを組んでいたほかの有力馬たちが、ボクの意思とは別のところで早い時期に離れて行ってしまう現象にあって、少し戸惑いを感じてもいます。クラシックを勝つには、ここからの1、2か月でどれだけ良くなることができるかというのが、かなり重要な要素になりますから、ジョッキーの立場でいえば候補は最後までたくさんいる方が有利なわけです。でも、今年はそんなことも言っていられないようです。それだけに、ディープインパクトにはもっともっと強くなってほしいと願っています。
2005年03月02日
ディープインパクトの追い切り&新番組について
ディープインパクトの追い切りで栗東へ。キレがあってコクがある、と言ったらマスコミの方に笑われましたが、実感として凡馬にはない雰囲気をオーラとして持っている馬です。今日の追い切りでも道中のペースが遅過ぎるのではないかと思いながら乗っていたのですが、時計を聞くと十分なそれ。どんな競馬をしてくれるか、ますます楽しみになってきました。
まだ1回目の撮影もしていないのですが、今度、スカイパーフェクTV!で本格的な競馬の解説番組をやることになりました。見栄晴と二人で、ひと開催に1回の割合で、サッカーの技術解説を真似たような内容でやっていけたら面白いのではないかと、ボクの発案でできた番組です。昨日ちょうど、JRAの高橋理事長と食事をご一緒する機会があり、そのことを話しましたら、「それは面白い。新しい競馬番組の形を提案してほしいと思っていたところなんです」と、意外なほどの賛同を得て気持ちを強くしています。ちょっと注目してください。

