ラファ・ウエルタ●撮影 photo by Rafa Huerta
第41号(2007年11月8日)【スペイン】首位のレアル・マドリードと、シュスター監督の評判
レアル・マドリードの実力が測れないまま、すでに3カ月が経過している。確かに、現在、レアル・マドリードは、リーグ戦首位を走っている。チャンピオンズリーグでも、よっぽどの番狂わせがなければ、グループ内首位を譲ることはないだろう。カペッロからシュスターに変わって、プレイ内容は以前より攻撃的になったが、何よりの問題はシュスター本人が獲得した選手を全く起用できておらず、自身が探しているチームモデルが見つかっていない点ではないだろうか。
レアル・マドリードを支えている筆頭選手は、なんといってもGKカシージャス。ついでラウル、セルヒオ・ラモス、グティ、今季はロビーニョと続く。言い換えれば、ユース以外前会長フロレンティーノ・ペレスが獲得した選手ばかりだ。
唯一の例外は、ファン・ニステルローイだが、彼を除けば、現会長が獲得した選手が全く機能していないことがわかる。もっと言えば、シュスター&現会長カルデロンのコンビで獲得した選手に至っては、冬の寒いマドリードのベンチを少しでも温めるために集められた要員なのでは、と思ってしまうほどだ。
例えば、鳴り物入りで獲得前から、散々騒いでいたロッベン。3600万ユーロをかけて獲得したものの、負傷続きで未だにフル出場すら果たしていない。
例えば、開幕当初、そのFKでベッカムをあっという間に忘れさせ、救世主と呼ばれたスナイデル。かろうじてスタメンこそ確保しているものの、精彩を失い、ほとんど紙面でも扱われていない。
例えば、鬼の首を取ったように宿敵バルセロナから獲得したサビオラ。彼に至っては、バルサ時代よりも更に出場時間が減り、ほぼプレイチャンスはないに等しい。
例えば、ロベルト・カルロスの後釜と華々しいキャッチフレーズで獲得したドレンテ。スナイデル同様、開幕当時の人気は高かったのだが、今では、マルセロにポジションを奪われている。
例えば、未だにその実力が未知数なペペ。これまた3000万ユーロをかけて獲得した挙句、負傷して3カ月間、その勇姿を未だに拝むことはできずにいる。
例えば、デュデク。カシージャスと競わせるため、という名目で獲得したGKだが、そのために34歳のGKを獲る理由が未だに不明だ。
例えば、メッツェルダー。来てすぐに負傷し、ようやくピッチに立てるようになった。だが、ディフェンスラインの脆さは相変わらずで、まだ期待に応えられていない。
一体、レアル・マドリードはこれらの選手に巨額の移籍金を払い、何を、どこを目指しているのだろう? まともなディフェンスラインが揃わず、毎回、神がかり的なスーパーセーブでチームを助けなければならないカシージャスは、ほとんど試合毎に、チームメートに向かってキレている。どんなにカシージャスが聖人君子でも、サッカーはひとりではできないのだから、彼のリアクションは必然なのだ。
それでも、シュスターは決して、自分のチームに非があることを認めない。チーム内に、ピッチ内に問題があると指摘されると、それを頑として否定する。質問がそこに及ぶと、それは「記者がサッカーを全然理解していない」から、「意味もなく勝手に批判している」だけで事実無根だと主張してみたり。かと思うと、試合に負けた原因は「アンチレアルな土壌出身の主審だったから」、と試合の責任は、選手でも監督でもなく、主審にあると断定してみたり。とても首位を走っているビッグチームとは思えない言い訳を並べている。
そうかと思うと、一転、今のレアルが正しい道を歩いているかどうか、「わからない」と公の場でもらすなど、周囲はシュスターの一挙手一投足に振り回されている状態だ。唯一の例外が選手らで、そんなシュスターの狼狽ぶりや周囲の雑音をものともせず、マイペースに我が道を進んでいる。
試合毎に一喜一憂し、不安定なシュスター監督に対し、会長が変わろうが、チームメートの顔ぶれが変わろうが、監督が変わろうが、いつもどおりに、ふてぶてしいラウルやグティが、今季も最終的にはレアルを救うことになるのだろう。だからこそ、ラウルやグティと合わない監督は、早々に去っていくことになる。
今のところ、ラウルやグティもまだ、シュスターを庇っており、彼の虚勢も通用しているが、このままでは、年内にもう一波乱あるのではないかと、どうにも安心して見ていられない今季のレアル・マドリードなのだ。







