| 山田一仁●文・撮影 text&photo by Kazuhito Yamada | ||
| 第71号(2007年2月19日) | ||
佳境を迎えるチャンピオンズリーグ〜イングランド勢の展望
マン・Uは、12月絶好調だったC・ロナウドの調子が多少下降線に入っているが、その代わりにルーニー(写真)の調子が上がってきた。そして1月の移籍で獲ったラーションがきいている。サハを加えてFW3人の中から調子の良いふたりが出る。 昨シーズン、守備がいまひとつ不安定だったが、センターバックに今シーズン加入したヴィディッチがいい。ファーディナンドもベストの状態に戻ってきた。このふたりのセンターバックがチームに守備の安定をもたらしている。左サイドバックはエインセが怪我をしている間にエヴラが成長してレギュラーポジションを奪ってしまった。すでに怪我が直ったエインセの出番が無い。 中盤は、やはり今シーズン加入したキャリックが底でボールをうまくさばいている。さらにパク・チソンも戻ってきた。チームとしてのバランスがいいのが今シーズンのマン・Uの特徴だ。見ていて戦い方が安定している。チャンスを逃さない。強いチームとしての条件を備え勝負強さがある。 初戦のリールは昨シーズン、マン・Uがグループリーグで消えた際にアウェーで敗れた相手。ホームでも引き分け、グループの最下位になってしまった。同じ相手だけに注意しなければいけないが、現在のマン・Uの調子だと余程のことがない限り負けることはないはずだ。組み合わせにもよるが、今シーズンはベスト4あたりまで行くかもしれない。 チェルシーはキャプテンのテリー、ロッベンが怪我から復帰。ジョー・コールもまもなく戻る。12月、1月のチーム状態は守備が不安定で見てられなかったが、ここから調子を上げていきたいところだろう。しかも、シェフチェンコがやっと点を取れるようになってきたので期待できる。 リーグ戦のリヴァプールとのアウェー戦では、敗戦後モウリーニョ監督とシェフチェンコがお互いに目も合わせず、気まずい雰囲気だったが、先週末の試合では交代後モウリーニョ監督自ら握手。本人が「期待通りの働きをしない者は無視する。それは誰に対しても同じだ」と言っていたのは本当だった。チャンピオンズリーグの再開に合わせて各ポジションの怪我人が戻って万全の体制になろうとしている。 ドログバとシェフチェンコで2トップを組む時は、中盤はマケレレが底、右にエシエン、左がランパード、中央にバラックと4−1−3−2に近い形を取る。そして、後半引き分けから点を取りにいったり、追加点を狙いたいときに、ロッベンやジョー・コールを切り札的に使ってくる。 その際、シェフチェンコを落としてトップを1枚にして、片翼、あるいは両翼にロッベン、ジョー・コールを置いてサイドアタックを仕掛ける4−1−4−1の形になる。今シーズンは、中盤の右サイドのエシエンを右サイドバックに下げる場合があるのが特徴。左サイドバックのアシュリー・コールが現在怪我だが、バックアップのブリッジの調子がいい。鋭いクロスがあがりロッベンと組んだ時に左サイドの突破力は相手の脅威だ。対戦相手であるモウリーニョ監督の古巣ポルトは、昨シーズンよりは力を付けているが、チェルシーが取りこぼすことはないはずだ。 リーグで現在3位のリヴァプールの相手は昨シーズンのCLチャンピオン、バルセロナ。リヴァプールも一昨シーズンのチャンピオン。カード的には大いに注目の一戦だが、最近のリヴァプールの試合内容を見ると、とても褒められたものではない。FAカップではアーセナルにホームで1対3と粉砕され、リーグカップでも同じくホームで3対6と惨敗。 右サイドアタッカーとして加入したペナント、FWのジェレミーそしてカイトと攻撃力はかなりアップしたものの、センターバックのヒッピアの代わりに入ったアッガーと左サイドバックのアウレリオと、新しくなったディフェンスラインがしっくりと馴染まないのか、失点が多いのが気になる。また、先週末のニューカッスル戦のようにチャンスはありながら、ゴールに結びつかないという結果が付いてこない不運もある。 バルセロナは、エトーとメッシが怪我から復帰。両者不在の間にサブ扱いだったサビオラも本来の力を見せている。CLに合わせてベストの布陣で臨んでくるはずだ。これでは、リヴァプールも歯が立たないのではないだろうか。 ただ、エトーの復帰戦で出場時間の問題で試合出場拒否から、ロナウジーニョ批判が出てちょっとしたお家騒動。これがどう影響するか面白い。初戦の結果にも拠るが、2戦目のホームで勝つことができても、カンプノウでどのくらい失点を抑えることができるかで、結果はおのずと決まってくる。 リヴァプールに次いでリーグ4位のアーセナルは、リーグカップで25日にチェルシーに決勝。FAカップはベスト16に進出。CLとあわせると3つのタイトルを狙える位置にいる。攻撃力は抜群だ。そのパス回しとチャンスを作り出す力が見事に結実するとゴールを量産し快勝するが、ゴールに結びつかないと引き分けに終わってしまうという勝負弱さが問題だ。チームの大半は20歳前後になって、フィールドプレイヤーの平均年齢は25才以下になる。 アシュリー・コールが抜けた後、左サイドバックに入ったギャラスが怪我で心配だったが、代わりに入ったクリシーが最近いい。ドリブルでの縦の突破力はコールより上。また、ロシツキーとバチスタがチームに馴染んできたことも好材料。さらに、リュングベリとフレブが怪我から復帰する。中盤は頼もしい。後は、ギャラスとエブエそしてファンペルシがいつ戻ってくるかだ。初戦には無理でも、3月初めの2戦目に間に合うと心強い。ただし、ファンペルシは骨折なので暫くは無理なはずだ。 若さが爆発すれば、PSVを押さえてベスト8に進める可能性は大。しかし、チャンスをゴールに結び付けられない弱点が出てしまうと、ここで消えてしまう可能性もあり。 いずれにしても、各チームの好不調を見ていると、これから数年の間、CLの決勝は、バルセロナを中心としたスペイン勢とイングランド勢の対戦が続くのではないだろうかと私は考えている。 |







