Special Contents WorldFootball ENGLAND
山田一仁●文・撮影 text&photo by Kazuhito Yamada
第66号(2006年10月13日)
06-07シーズン、プレミアシップの順位予想

+拡大画像
 今回は、恒例のシーズン順位予想。まずは優勝争いとチャンピオンズリーグ(以下CL)出場圏内の上位4チーム。チェルシー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド(以下マン・U)そしてリヴァプール。

 私の優勝予想はチェルシー。シェフチェンコ(写真)とバラックというワールドクラスを加入させたプラス効果は、まだ現われているとはいえない。しかし、ロッベンやアシュリー・コールなどのサイドアタッカーを開幕当初怪我で失ったにもかかわらず、最小限の影響におさえ勝ち点で首位マン・Uに並んでいるのはさすが。これから調子が出てきた時に、飛躍できるのは間違いない。シェフチェンコ、バラックがチームにフィットしてきたら、総合力は、他の3チームを凌ぐだろう。ただし、昨シーズンのように2位に勝ち点で10以上の差をつけるのは難しい可能性が高い。

 2位争いは、アーセナルとマン・Uだが私の予想はアーセナルが2位。9月のオールド・トラフォードでの直接対決ではアンリを欠いたアーセナルが不利かと予想したが、試合はアーセナルが6対4の割合でボールを支配し、終了間際のゴールで勝った。敵地でマン・Uを下したのは優勝した01-02シーズン以来。PKの失敗もあったが終始アーセナルが試合をコントロールし、昨シーズンCL決勝まで勝ち上がった自信が、若いチームにとって大きなアドバンテージになっている。まだ19歳のファブレガスがチームのコンダクターとなった。今や、ヴィエラの抜けた穴を埋めるどころか、攻撃を作るという能力においては、彼を凌駕している。

 3位はマン・U。ファン・ニステルローイを失ったものの、C・ロナウド、ルーニーの若手とサアやパク・チソンらの成長とスールシャールの復帰。そしてトットナムから獲得したキャリックの存在が大きい。ボランチの心配がなくなったが、攻守のバランスから見るとやや守備が弱い。心配は右サイドバック、ガリー・ネヴィルのバックアップがいないこと。開幕スタートダッシュで首位に立ったが、最初の3試合は格下相手だったことを忘れてはいけない。試合数だけで勝ち点を判断するのではなく、相手の力量を考慮して成績を判断しなければいけない。

 そうなってくると4位に滑り込むのはリヴァプールとなる。が、今シーズンはカイト、ベラミー、ペナントと攻撃の補強をうまくしたものの、この3カ月で結果がついてきていない。GKレイナのアンダーパーのプレイは大きな疑問。以前から代わりの選手が必要だと指摘しているヒーピアは、すでにレギュラーに値しない選手。また左サイドバックも心配なところだ。リヴァプールは守備の再構築が必要で、昨シーズン獲得したアッガーあたりが、どのくらい成長してくれるかに期待したい。

 優勝争いの中でスタートにつまずいたリヴァプールは、今後かなり踏ん張らないと、他の3チームに差をつけられたまま後半戦に突入する可能性が高い。

 次のUEFAカップ出場権内は、アストン・ヴィラ、エヴァートン、ボルトン、ポーツマスの4チーム。

 選手層をみると大した戦力ではないが、就任早々結果を出しているアストン・ヴィラのオニール監督の手腕は凄い。現時点で無敗。セルティックでのスコットランドリーグ5連覇は伊達ではなかった。自分の愛弟子・ペトロフをセルティックから獲得したのも大きい。1月の移籍で補充したい選手を獲得できれば、さらに躍進できる可能性がある。4位に食い込むダークホース最有力候補。

 ボルトンは、アラダイス監督の移籍金に関わるスキャンダルに揺れているが、成績には全く影響がない。これほど選手が入れ替わっているのにもかかわらず、上位の6位前後を維持できるクラブもめずらしい。監督自身も自分の手法に自信を持っているはずだ。

 エヴァートンも一昨シーズンは4位になったものの、昨シーズンは前半戦の成績が上がらず苦しんだ。が、その苦しみを生かしている。チームとしてまとまった時のエヴァートンは、どの程度のパフォーマンスを発揮するかは予想できない。秘められた能力はある。

 キープレイヤーは、W杯で日本を苦しめたカーヒル。エネルギッシュにピッチを動き回り、2列目からゴールを狙ってくるのは相手チームにとって脅威。同時に、サッカーは個々の駒だけでなく、チームワークがいかに大切かを教えてくれるチームだ。

 ポーツマスは、シーズン当初に解説したように、獲得選手がそれぞれよい活躍をしている。特に、カヌーとキャンベルの元アーセナル組は4強ではレギュラーは難しいが、ポーツマスに来てまだまだトップチームでやれることを証明している。レドナップ監督の望む補強ができた今、どのレベルまでいけるかという監督の真価が計られる。

 このグループに加わってくる可能性のあるチームがブラックバーンとレディング。レディングは昇格チームだが、昨シーズンのウィガンのような存在になるだろう。私が取材した試合では、格上チームに対して守ろうというのではなく、積極的に攻めている姿勢が気に入っている。

 ブラックバーンは、フィジカルを前面に押し出し、上位チームを苦しめる力を持っている。昨シーズン好成績を収めたが、今季今ひとつのチームは、トットナム、ウェストハム、ウィガン。予想以上の成績を収めたチームの宿命かもしれないが、中心選手を引き抜かれた穴を埋め切れていない。

 トットナムは、フルアムからマルブランク、ウィガンからシンボンダそしてサンティティエンヌからゾコラを獲得したものの、舵取り役のキャリックを失ったマイナスが大きすぎた。マルブランクは怪我でまだ出場できない。他のふたりもチームにフィットするのに時間がかかる。ボールの収まりどころがなくなってしまった。

 ウェストハムは、昇格1年目でFAカップ決勝に進出し、自信をつけて今季大きく羽ばたくつもりだったに違いない。それが、シーズン開始前後からクラブの売却問題が浮上。テベス、マスチェラーノというふたりのアルゼンチン代表選手の予想していなかった移籍に戸惑い、クラブの一体感が欠如している。

 ウィガンも、トットナムと似ている。私が最もこのチームの好成績に貢献していたと評価するバラードをフルアムに放出してしまった。そしてシンボンダもトットナムに引き抜かれた。バラードの代わりになる選手を取っていない点がトットナムと全く同じで、それが不調の原因になっている。

 降格の危機に最も近い3チームは、現在の順位そのもの。ワトフォード、シェフィールドそしてチャールトン。

 ワトフォードは、昇格してもそれに見合った補強ができていない。シェフィールドも同様。シーズンを通して勝ち点を積み上げるには、プレミアのレベルで通用する選手の補強が必要だ。1月に補強できない場合は、この2チームは順位を上げることは難しい。

 チャールトンは、元々大した戦力がなかったチームをカービッシュリー監督の力量で、毎年少しずつ順位を上げてきたチーム。その監督を失った時点で、余程素晴らしい監督を連れてこない限り、成績が落ちるのは予測できたこと。ドウィー監督にはそこまでの力量はない。

 自分のひいきのチームの優勝を夢見るだけでなく、各チームの能力分析を冷静な目で判断すると、順位予想も面白くなってくるはず。
プロフィール
山田一仁

ロンドン在住のカメラマン。プレミアリーグだけでなく、ヨーロッパ各国リーグの取材も精力的にこなしている。年に何回もロンドンと日本を往復し、また、ロシアにも活動拠点を置くなど、その活動範囲は非常に広い。

website>>> http://homepage3.nifty.com/kazphoto/

sportiva present 詳細はコチラ≫
sportiva 本誌アンケート こちらから応募できます
S-men's.net(sportiva)webメンバー募集中! 会員特典多数!!
mobile sportiva モバイルサイトも更新中!URLをメールで送信>>>
contact us 読者係:03-3230-7755 編集部:03-3230-6058
年間定期購読 お申し込みオンラインサービス

Sportiva 本誌
定価580円 毎月25日発売
今月の特集

黄金世代
世界を驚かせた18人の今

  • 黄金世代は何をもたらしたのか?
  • 小野伸二
    「もう一度、アフリカのピッチで…」
  • 柳沢敦が語る“シンジと黄金世代”
    「伸二からのパスは
    スバ抜けて優しかった」
  • ワールドユース99選手名鑑
  • 高原直泰
    「不敗神話を持つエースの10年」
  • 小笠原満男
    「もう第3の男とは呼ばせない」
  • 遠藤保仁
    「オレらの世代が
    やらないといかんやろ」
  • 稲本潤一&中田浩二
    「オレが欧州で戦ってきた理由」
  • 黄金世代 最強伝説
    「伝説は94年に始まっていた」
  • ドキュメント・ワールドユース99
  • オレとワールドユース99
    播戸竜二、酒井友之、
    永井雄一郎、南雄太、
    加地亮、本山雅志
  • ワールドユース99
    アフリカ事件簿
  • あの黄金世代たちは今……
    榎本達也、石川竜也、
    高田保則、氏家英行
  • フィリップ・トルシエ
    「彼らは抜群の世代だった。
    “黄金”かどうかは別にして……」
  • 検証・世界の黄金世代
    「日本を破ったスペイン
    “黄金世代”は
    なぜ消えたのか!?」
  • 岡田ジャパンは本当に
    南アに行けるのか!?
  • 江夏豊の夢野球紀行
    「四国・九州アイランドリーグ編」
  • ストイコビッチを
    日本代表監督に!
    1.欧州ジャーナリストほかが語る
    「ピクシーの変身」
    2.識者が解剖
    「ピクシーの手腕」
    3.藤田俊哉
    「代表監督にはカリスマ性が必要だ」
    4.グランパス主力選手アンケート
  • クリスティアーノ・ロナウド大研究
  • 西川周作
    「北京でまた
    ひと回り大きくなりたい」
  • スラムダンク奨学金2期生
    谷口大智&早川ジミー
本誌冒頭記事紹介