| 山田一仁●文・撮影 text&photo by Kazuhito Yamada | ||
| 第58号(2006年3月7日) | ||
アーセナル&リヴァプール〜CLの行方
実は私も、今までのアーセナルのチャンピオンズリーグ(以下CL)での戦いぶりを見ると、レアルには勝てないだろうと予測していた。そして、リヴァプールは昨年のアウェーでの堅守ぶりから、引き分けに持ち込む(0対0)と考えていた。そんな私の予想も見事に裏切られた。 では、今週行われる2戦目はどうなるだろうか。 まず、アーセナルだが、2月21日のレアル戦、アーセナルの得点は、ロナウドの軽率なバックパスを奪って、そこからアンリが決めた。ボールを奪った後のアンリのプレイが素晴らしかった。センターサークル付近でボールを受けると、相手ふたりをかわし、最後のDFにコースを押さえられながらも左サイドからファーポストにGKの逆を突いてネットに突き刺した。ほとんど彼の個人技で取ったゴールと言える。 後半戦に入り、アーセナルDF陣はキャンベル、アシュリー・コールが怪我でいない。この機会にベンゲルは若手を思い切って使った。左サイドバックには、一時コールの代わりにシガンを入れていたが、心もとないので最近は、本来ボランチのフラミニ(21歳)をコンバートしている。この方が、ボールを奪った後に、攻撃のビルドアップがしやすい。 2月に入り、ローレンの代わりに右サイドバックに入った、エマニュエル・エブラ(22歳)がいい。彼は、W杯初出場を決めたコート・ジボワール代表。アフリカ選手権から戻って、ローレンからポジションを奪った。足元が上手いのに加えて体が柔らかく、相手FWに下がりながら食いついてくるのも上手い。攻撃参加も好きで、左のコールとは違った味を出していて、私も気に入っている。 これまでの右SB・ローレンも守備は手堅いが、攻撃参加した際に怖さがない。しかも、プレイがパターン化している。これでは、相手にどんな動きをするか読まれてしまう。この調子ならローレンが怪我から復帰しても、レギュラーを奪ってしまうのではと思わせるほど。 元々攻撃力はあるチームだけに、問題は中央のDF、センデロスとトゥレで、今度は必死に捨て身で攻撃してくるレアルを抑えられるかどうか。元来、CLのホーム試合では前半に2点リードをしておきながら、終了のホイッスルがなってみると同点になっていたという結果が多いアーセナル。 ここは、1点差のリードでは安心できない。守備に回った時のアーセナルは、それほど強くないのだ。1戦目に勝ったことは忘れて、ゴールを奪いに行かないと、逆転でレアルがベスト8に勝ち進む可能性は大いにある。何しろベンゲル体制でCLは過去の最高成績がベスト8なのだから。
2月14日、アーセナルを破り、続く18日のFAカップ5回戦で宿敵マン・Uを1対0で破ったところまでは良かった。しかし、3月4日の試合では、ファウラー、クラウチ、シセが決定機を決められない。終了間際のゴールで勝利したアーセナル戦も、4回も決定機がありながら、モリエンテスがゴールネットを揺らすことができない。勝ちきれない病に陥っている。 ここまでリーグ戦8試合で、3勝2分け3敗と勝率は5割。FWを3枚にしている試合もあるが、ゴールを割れない。得点チャンスを作ってはいるものの、結果に結びつかない。こうなってくると、選手の自信も不安に変わってくる。 リヴァプールはホームのアンフィールドでめっぽう強いが、ベンフィカ戦では、2点以上とならければならない。さらに失点してはいけないことを考えると、今回は、危機的状況といわざるを得ない。何しろ最近のリーグ戦の勝利は、全て1対0という内容だからだ。 ディフェンディング・チャンピオンもさすがに正念場だ。マン・Uがリーグカップに優勝した今、リヴァプールとアーセナルは共にタイトルがない。アーセナルは、CLのみ。リヴァプールは、CLとFAカップにチャンスがある。 アーセナルは、若手の思い切ったプレイとアンリの活躍で先取点を奪うことができれば、レアルを破ることができるだろう。1月移籍で加入したディアビ(19歳)とアデバヨール(22歳、トーゴ代表)、そして、素晴らしいプレイが続く、アンリに期待しよう。 リヴァプールは、早い時間に2点を奪わないと、チャンスがない。今回は、残念ながらここで消える可能性が高い。活路があるとすれば、両サイドのガルシアとキューウェルだろう。イングランド勢の2強の結果に注目したい。 |









