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横谷和明●取材・文 text by Kazuaki Yokoya
第74号(2007年3月6日)
【bjリーグ】2006-2007シーズン プレイオフ展望

 2年目のシーズンを迎えたbjリーグもすでに30試合を消化。プレイオフまで残り10試合となった。昨年は大阪エヴェッサと新潟アルビレックスBBのマッチレースとなったが、今季はその2強に高松ファイブアローズ、大分ヒートデビルズの2チームが割って入り、激しい上位争いを繰り広げている。プレイオフへ向けて、各チームはどのようにチームを作り上げていくつもりなのだろうか。

 ここまで21勝9敗という成績を残し、首位に立っているのは昨年の王者である大阪。11月にはまさかの5連敗を喫してしまったが、リン・ワシントンやデイビッド・パルマーらの活躍により、12月中旬から怒濤の9連勝を上げて一気にトップへと踊り出た。また波多野和也や城宝匡史らを始めとする日本人選手のレベルアップにも成功。特に波多野は天日謙作ヘッドコーチ(HC)に、「今では彼なしのチームは考えられない」と言わしめる存在にまで成長を遂げている。

 さらにアーリーチャレンジ制度で加入した元日本代表ガードの仲村直人の存在も大きい。天日HCも「彼は優れたシューターだし、インサイドのスペースを広げるという意味でもいい仕事をしてくれている。またゾーンディフェンスをするときにも192cmの仲村が前に入ることで、相手チームにより大きなプレッシャーをかけることができる」とその能力を高く評価する。

「ここまで我々は怪我人が多く、スターターが次々と替わるような状態で戦ってきた。今後はプレイオフを見据えたオフェンスやディフェンス、選手のローテーションなど、チーム全員がすべてをしっかりと理解したうえでゲームを進めていけるようにしていきたい」と天日HC。天王山と見られていた2月24、25日の新潟との試合でも2連勝するなど、ここにきてチームの仕上がりは順調なようだ。

 新規参入チームながら、3ゲーム差で2位につけている高松。ここまで18勝12敗という成績を残しているものの青木幹典HCは、「まだプレイオフ進出に向けて、安心できるポジションではない」と慎重な姿勢を崩していない。「大阪、新潟とは良い戦いができているので、ある程度の手応えは感じているが、大分には1勝5敗と負け越すなどチームの若さは否めない」と青木HCが語るように、試合によって好不調の波が激しいという問題を抱えていることも事実だ。自分たちのペースになったときの強さはリーグでも1、2を争うだけに、苦しい試合展開のときにどうやってディフェンスを踏ん張っていくのかがプレイオフ制覇へ向けて課題となるだろう。

 高松にとって大きなプラス要素は、アーリーチャレンジ制度で中川和之を獲得したことだ。2006年にABAで日本人初となるオールスターに出場した経験もある中川は、ここまで7試合で平均14.6点をマーク。50%を超える3P成功率を誇っている。彼の加入はチームに「日本人選手に良い意味で競争意識が高まり、スキルアップにつながっている(青木HC)」という相乗効果を与えているのだが、ここにきての誤算は中川が2月24日の埼玉ブロンコス戦で左腓腹筋肉離れという怪我を負ってしまったことだ。2週間程度で戦列に復帰できる予定だが、チームメイトとの連携を深めていくためにも一刻も早い復帰が望まれるところだろう。

 3位の新潟も、大阪同様に怪我に泣いたチームだ。藤原隆充、寺下太基、池田雄一の3選手が開幕直後に戦線離脱。一時は7人でシーズンを戦うという、緊急事態となってしまった。それでも地力に優る新潟は前半15試合を12勝3敗と首位で折り返したが、その後の15試合は5勝10敗と負けが先行。「中盤戦では選手の疲れが出てしまった感は否めない」と、廣瀬昌也HCは今季の戦いを振り返る。2月に入り、上記の3選手とも戦列に復帰したが、現在はチームを再構築している段階。

「今季は競ったゲームで勝つことができていないので、まだまだ力不足を感じる。しかしここにきて怪我人も戻ってきたし、いっそう速い展開のバスケット、平面を征するバスケットボールを40分続けられるようなチーム状況になりつつある(廣瀬HC)」とプレイオフに向けて、少しずつ手応えを感じつつあるようだ。「試合で競り勝つにはインサイドワークが重要になってくるが、ニック・デービスが安定した力を出せるかどうかが今後のキーになってくると思う」と語る廣瀬HC。チームの特徴である組織力に磨きをかけ、昨年ファイナルで大阪に敗れた悔しさを晴らすことができるのか。

 そして最後にもう1チーム、大分の存在も忘れてはいけない。堅いディフェンスを軸にこの10試合で7勝3敗という高勝率を残し、一気に新潟とゲーム差なしの4位まで成績を伸ばしてきた。上位3チームとの対戦成績では9勝5敗と勝ち越しているだけに、このままプレイオフの出場権をつかむことができれば、面白い存在となりそうだ。

 勝利を目指しながらも、プレイオフを見据えたチーム作りもしていかなければいけない終盤戦。この難題をクリアし、栄冠をつかむのはどのチームなのか。注目のプレイオフは、4月21日に有明コロシアムで幕を開ける。

bjリーグ公式ホームページ
http://www.bj-league.com/

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