Special Contents OTHER
市川忍●文 text by Shinobu Ichikawa
アフロ●撮影 photo by AFLO
第65号(2006年9月20日)
【バレーボール】石島雄介、日本人初のブラジル移籍

+拡大画像
 8月28日、堺ブレイザーズの石島雄介がブラジルのプロチーム、サンパウロ・ウィザード・タウバテーと1年間のレンタル移籍契約を交わしたことを発表した。

「ワールドリーグでは自分の力のなさを痛感しました。海外という違った環境に身を投じて、言葉や生活の違いなどの障害を乗り越えてバレーをすることが、今の自分には必要なんじゃないかと改めて感じました。やるからにはレギュラーを目指して頑張ってきます」

 タウバテーはブラジル国内最高峰のスーパーリーグに、今季から加入する若手中心のチーム。過去、真鍋正義(久光製薬監督)や加藤陽一(JT)がイタリア・セリエAに参戦したことはあったが、日本人がブラジルのプロチームに移籍するのは石島が初めてである。

 石島は昨年12月、筑波大在学中に内定選手として堺ブレイザーズに入団した。第12回Vリーグでは合流直後にレギュラーの座を獲得。獅子奮迅の活躍でチームを4強入りに導くと、準決勝からの4試合では50%以上の高いスパイク決定率を残し、新日鉄を前身とする堺ブレイザーズを、クラブ化してから初の優勝へと牽引した。今年のワールドリーグでも全試合にスタメン出場し、初代表とは思えない堂々たる活躍で日本人トップのスパイク決定率を残している。

 石島は世界選手権直前に一旦、帰国して代表合宿に参加。年末、再びブラジルに渡って1月に開幕するスーパーリーグに備える予定だという。しかし、なぜ移籍のタイミングが、世界選手権の開幕を2カ月後に控えた今なのか?

+拡大画像
 これまで、全日本入りには常に代表合宿に参加することが最低条件だった。実際、加藤陽一がイタリア移籍を果たす2002年まで、全日本の登録資格には「日本バレーボール協会に属す国内のチームが保有する選手に限る」という時代錯誤な一文まで含まれていたほどである。現在でも代表監督の目が届かない海外に行けば、それだけで選考に不利だと、全日本の関係者も公言する。しかし石島はきっぱりと言う。

「行きたいから行く、ただそれだけ。理由なんてありませんよ。選ぶのは監督、僕は自分がレベルアップすることを一番に考えているだけです」

 今年度のワールドリーグを1勝11敗という成績で終えた全日本男子。3大会連続で五輪出場を逃し、世界との差は年々開く一方だ。国内での、日本人による強化、育成に限界が唱えられるようになって久しいが、五輪予選で敗れるたびに代表監督が変わるだけで、画期的な強化方針は打ち出されていない。「ブラジルへ行ったからといって、必ずうまくなるとは限らない」と石島は冷静に話す。しかし、立ち止まっていては現状が変わらないことを石島は知っている。選手だけではなく指揮官も指導者も、バレーボール界全体がもっと海外へ目を向けるべきではないかと、地球の裏側に旅立った若者の行動が問いかけているように感じてならない。

sportiva present 詳細はコチラ≫
sportiva 本誌アンケート こちらから応募できます
S-men's.net(sportiva)webメンバー募集中! 会員特典多数!!
mobile sportiva モバイルサイトも更新中!URLをメールで送信>>>
contact us 読者係:03-3230-7755 編集部:03-3230-6058
年間定期購読 お申し込みオンラインサービス

Sportiva 本誌
定価580円 毎月25日発売
今月の特集

黄金世代
世界を驚かせた18人の今

  • 黄金世代は何をもたらしたのか?
  • 小野伸二
    「もう一度、アフリカのピッチで…」
  • 柳沢敦が語る“シンジと黄金世代”
    「伸二からのパスは
    スバ抜けて優しかった」
  • ワールドユース99選手名鑑
  • 高原直泰
    「不敗神話を持つエースの10年」
  • 小笠原満男
    「もう第3の男とは呼ばせない」
  • 遠藤保仁
    「オレらの世代が
    やらないといかんやろ」
  • 稲本潤一&中田浩二
    「オレが欧州で戦ってきた理由」
  • 黄金世代 最強伝説
    「伝説は94年に始まっていた」
  • ドキュメント・ワールドユース99
  • オレとワールドユース99
    播戸竜二、酒井友之、
    永井雄一郎、南雄太、
    加地亮、本山雅志
  • ワールドユース99
    アフリカ事件簿
  • あの黄金世代たちは今……
    榎本達也、石川竜也、
    高田保則、氏家英行
  • フィリップ・トルシエ
    「彼らは抜群の世代だった。
    “黄金”かどうかは別にして……」
  • 検証・世界の黄金世代
    「日本を破ったスペイン
    “黄金世代”は
    なぜ消えたのか!?」
  • 岡田ジャパンは本当に
    南アに行けるのか!?
  • 江夏豊の夢野球紀行
    「四国・九州アイランドリーグ編」
  • ストイコビッチを
    日本代表監督に!
    1.欧州ジャーナリストほかが語る
    「ピクシーの変身」
    2.識者が解剖
    「ピクシーの手腕」
    3.藤田俊哉
    「代表監督にはカリスマ性が必要だ」
    4.グランパス主力選手アンケート
  • クリスティアーノ・ロナウド大研究
  • 西川周作
    「北京でまた
    ひと回り大きくなりたい」
  • スラムダンク奨学金2期生
    谷口大智&早川ジミー
本誌冒頭記事紹介