| 川喜田研●取材・文 text by Ken Kawakita photo by Honda |
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| 第54号(2007年2月15日) | |
【F1】2007シーズン展望〜各チームの明暗
ここ数回のテストを見る限り、現時点で下馬評が高いのはフェラーリとマクラーレン。シューマッハ引退の影響を危惧する声もあったフェラーリだが、新車の仕上がりは良く、チームの結束も固い。どうやら彼らはシューマッハの遺産をしっかりと引き継ぎながら、新たなエース、ライコネンにバトンを手渡すことに成功したようだ。また、そのライコネンに代わってチャンピオンのアロンソが移籍したマクラーレンもスピード、信頼性、安定性でフェラーリと並んでトップレベルの仕上がりを見せている。そんなワケで今年の本命はライコネンとアロンソ、チームを移籍してもタイトル争いの軸はこのふたりというのが、各国プレスの一致した見方である。 逆に「悪くはないけどいまひとつ」なのがチャンピオンチームのルノーで、アロンソの離脱を受けてベテランのジャンカルロ・フィジケラがエースに昇格し、パートナーは新人のヘイキ・コバライネン……というコンビはやはり物足りないし、ニューマシンのR27も良く言えば堅実、悪く言えばコンサバ。オレンジ色の新しいカラーリングが単にカッコ悪いというのもあるのだが、トップ2チームに比べると半歩遅れている印象は否定できず、ブリヂストンタイヤへの対応でもフェラーリやマクラーレンに対して、やや苦しんでいるように見える。 また、それ以外のチームで思ったよりも速いのが今年からトヨタエンジンを搭載するウイリアムズと、BMWザウバーの2チーム。BMWは小さなトラブルが頻発しているのが気になるもののマシンのポテンシャルは高そうだし、ウイリアムズは久々に「成功作」の予感がする。 一方、正直、ちょっと心配なのがホンダとトヨタの日本勢。特にホンダは早くも「あれっ、こりゃヤバイかなぁ……」という雰囲気が漂い始めている。100%ホンダ体制になって2年目の今年、ホンダはニューマシン開発の過程でリスクや失敗を恐れず攻める姿勢でチャレンジするという「ホンダイズム」を前面に押し出し、大幅な仕様変更を行なった。ただし、現時点のマシンの仕上がりはお世辞にもいいとは言えない状況で、パドックでも「スーパーアグリのテスト車両(去年のホンダをベースに開発したマシン)の方が速いかも?」という声が聞こえてくるほどなのだ。 もちろん、敢えて犯した「リスク」が裏目に出ればこうした状況も十分にあり得るわけで、ホンダにとってはこれも想定の範囲内なのかもしれないが、少なくとも2007年シーズンに関する限り、この時点での出遅れが重いハンディキャップとなることも事実。実質「ホンダ2軍」のはずのスーパーアグリやルノーV10+エイドリアン・ニューイ設計のマクラーレン風シャシーで強化されたレッドブル、そのレッドブルの車体を流用してフェラーリV10を搭載したトロ・ロッソなど、今年は下位チームの強化底上げが一気に進んでいるだけに「大ハズシ」すると中段グループに飲み込まれてしまいかねない。 近年、自動車メーカー直営の「ワークスチーム」とその支援で何とか生き延びる「ジュニアチーム」の2極化が進むF1だが、ワークスホンダがスーパーアグリに負けたり、本家トヨタがエンジン供給をしているウイリアムズ・トヨタに負けたりってのはさすがにちょっと情けない。ここはひとつ「ジュニアチーム」に「親」の威厳をシッカリ見せて欲しいのだが……。 |








