| 川喜田研●文・撮影 text&photo by Ken Kawakita | |
| 第48号(2006年6月30日) | |
アロンソ&ルノー、独走か──カナダGP
スペインGPからカナダまで、これで破竹の4連勝! シーズンのちょうど半分、9戦を終えた時点ですでに6勝、2位3回という驚異的な強さと安定感。ド ライバーズポイントではカナダGP終了時点で84点と2位のミハエル・シューマッハ(59点)に早くも25ポイントもの大差をつけてしまった。ランキン グ3位のキミ・ライコネンが39ポイントと、もはやチャンピオン争いの圏外に外れつつあることを考えると、今後はアロンソとシューマッハのマッチレースに期待するしかなさそうで、その意味ではモントリオールでシューマッハが「辛うじて」2位に入賞できたことは幸いだったと言えるかもしれない。 しかし、今改めて前半戦の内容を振り返ってみるとアロンソとシューマッハの間にある「25ポイント」は見た目以上に重い。混戦が期待された2006年シーズンは完全 にアロンソの「ワンマンショー」になりつつある気がする。 なぜ、残り9レースのある今の段階で、25ポイント差の意味がそれほどまでに重いのか? 最初に考えなくてはならないのは、ルノーとアロンソの驚異的な安定感だ。開幕からここまでアロンソのマシンに大きなトラブルが生じたことは一度もなく、ピットストップ関連でもマレーシアGPの予選で起きた給油ミスを唯一の例外とすれば、トラブルらしいトラブルは皆無。ここまで全戦完走、しかも3位以下は一度も無し……という驚異的な信頼性の高さは一朝一夕に実現するものではない。 さらに、今年のルノーはモナコのような超低速コースからバルセロナ、シルバーストンのような高速コースまで、全てのタイプのサーキットで常に高いパフォーマンスを発揮しているわけで、こうなるとここから先、残り9戦についてもトラブルに起因するリタイアを期待することは難しく、むしろ 「完走=優勝も含めた上位入賞」というパターンが基本となりそうだ。 現実的に考えて、タイトル争いが緊迫するためには「アロンソがリタイアで0点、しかもシューマッハが優勝で10点獲得」といった状況が欲しいところだが、ここまでの流れを考えると、それはどうやら期待薄か? 仮にこの先、シューマッハが全戦で優勝してもアロンソが全戦2位なら差は18点しか縮まらな いし、現実にはその逆のパターンで、両者の差が広がってしまうレースが多くなる可能性が高い。ルノー+アロンソの強さを例外としても今のフェラーリとシューマッハにはコンスタントな優勝はおろか、常に2位のポジションを狙うのすら簡単ではなく、モントリオールの結果もキミ・ライコネンのミスなどいく つかの幸運に恵まれた末、ようやく掴んだ「2位」だった。アロンソとの差が2ポイントしか広がらなかったのは幸いだったが、レース内容を見れば両者の差は大きく、この状況をひっくり返すのは並大抵のことではないだろう。 今回、ピットワークのミスなどで「自滅」したマクラーレンにはまだ「速さ」という武器があるが、チーム全体の仕事のレベルはルノー、フェラーリのトップ2と大きな開きがあるし、トヨタやルノー、BMW、ウイリアムズなどが実力的にそこからさらに大きく引き離されている現状を考えると、ルノー+アロンソはある程度のアドバンテージを持った状態で「対フェラーリ」の差だけを意識すればいいわけで、ディフェンディングチャンピオンとしてはまさに理想的な展開。開幕前に混戦のシーズンを予想した身としては恥ずかしい限りだが、このままだと2006年はアロンソ+ルノーによる「歴史的に残る独走」のシーズンになってしまいそうな気がしてきた。 |







