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浅田真樹●文 text by Masaki Asada
藤田真郷●写真 photo by Masato Fujita

第43号(2007年8月29日)U−17代表、一次リーグ敗退〜生かしてこそ経験

6年3大会ぶりにU−17ワールドカップ(旧・U−17世界選手権)に出場したU−17日本代表は、一次リーグを勝ち点3、得点4、失点6でグループ3位に終わった。

自動的に一次リーグ通過が決まる、グループ2位以内に入ることはできなくても、全6グループの3位のうち、成績上位の4カ国は決勝トーナメントに 進出できる。だが、ラスト4番目の椅子に滑り込んだのは、タジキスタン。その成績は、勝ち点3、得点4、失点5というものだった。

決勝トーナメント進出が簡単ではないことは、組み合わせが決まったときから、わかっていた。だからこそ、結果だけを見れば、それは意外というほどのものではない。だが、得失点差わずか1の差が明暗を分けたとなれば、やはり悔しさは募る。

過去、日本がU−17ワールドカップに出場したのは3回のうち、決勝トーナメント進出できたのは、日本開催の93年大会だけ。しかも、最後に出場した01年大会では、ナイジェリアに0対4、フランスに1対5と大敗し、一次リーグで敗退している。

日本がU−17ワールドカップに出場するのは、それ以来のこと。しかも、奇しくもナイジェリア、フランスと再び同組になったとあって、今大会は、この世代の日本がどれほど成長したのかを知る絶好の機会となったのである。

結果は、一次リーグ敗退に終わった。それでも、日本の戦いぶりは、6年前と比べ、確かな成長をうかがわせるものだった。

確かに、ナイジェリアには再び、0対3と完敗した。力の差は、やり方次第でどうにかなるという程度のものではなかった。日本は「人とボールが動くサッカー」を標榜し、ポゼッションを高めるサッカーに取り組んできたが、ナイジェリアのハイプレッシャーの前に、ボールをつなぐことはままならなかった。

それでも、相手のスピードあふれる攻撃の前に、ズルズルとDFラインが後退してしまうこともなく、どうにか高い位置で持ちこたえた。チャンスの数はわずかだったとはいえ、自分たちで“意図した攻撃”を組み立てようとしていたことに、大きな進歩が見えた。

フランスに対しても、1点リードで迎えた後半には、しっかりとパスをつなぎ、自分たちのペースで試合を進める時間を作り出した。6年前には考えられなかったことである。

特に身体能力で不利が大きいこの年代では、日本が世界のトップと互角に渡り合おうと思えば、ボールを速く動かし、フィジカルコンタクトを避けるという発想は不可欠だ。「人とボールが動くサッカー」は理に適ったものだった。今大会で見えた進歩も、そこを突き詰めていった結果だと言える。

考え方の方向性は間違えていない。ただ、そのやり方で世界に挑むなら、もっともっと高い技術が必要だ。結果的にピンチにつながらなくとも、ちょっ としたトラップミスや判断のミスで、DFラインから確実につなげるはずのボールを相手に渡してしまうことが少なくなかった。また、守備から攻撃に切り替わり、ここでパスが通ればという場面で、トップスピードでボールをコントロールしきれず、チャンスをフイにすることもあった。

今大会の日本は、内容的には進歩が見えたし、大健闘と言っていい試合を展開した。それでも、ナイジェリアはさらに先を行き、日本が差を詰めることを許さなかった。世界と戦うためには、まだまだ技術を上げていかなければならないこともまた、はっきりした。

それは選手たち自身が、誰より強く、肌で感じ取ったはずだ。いずれはA代表入りを目指す彼らにとっては、大きな教訓をなっただろう。

ただし、経験は生かしてこそ経験。将来に生かされなければ、それはただの思い出でしかない。


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