| 浅田真樹●文 text by Masaki Asada 佐野美樹●撮影 photo by Miki Sano |
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| 第28号(2006年11月6日) | |
順調な滑り出しの反町ジャパン〜日中韓サッカーU-21代表交流戦
かつての日本といえば、相手が中国であろうと、韓国であろうと、はたまた中東勢であろうと、逆にこうした勝ち方を相手に許すことのほうが多かった。試合の中では、何となく押している時間もあり、チャンスもそれなりにつかむものの、結局はどこかで失点し、90分を終えてみれば、負けている。そんな苦い記憶が実に多かったのである。 ところが、気がつけばその立場は逆転。そうした歴史を振り返れば、このしたたかな勝利は日本サッカーの成長を証明するものといってもいいだろう。 中国人プレスの反応を見ていても、それはうかがえる。すでに、日本を対等のライバルというよりは、どこか格上の存在として見ているようなのだ。そんなに悪い試合ではなかったけど、やっぱり日本には勝てなかったか。試合後には、そんな反応が見受けられた。 「個々の能力では、中国のほうが上」 反町康治監督は、8月の中国・秦皇島での対戦時から、一貫してこうした発言を続けてきた。決して油断は見せないという姿勢であり、中国に対するリスペクトでもある。確かに、イーブンボールでの競り合いなど、1対1の局面では中国が優位に立つシーンが少なくない。中国のU-21代表にはA代表経験者も多く含まれており、肩書きでも日本よりも華やかだ。 とはいえ、ボールを扱う技術や身のこなし、もっと細かく言えば、トラップからパスまでの一連のステップなどを見ると、一概に「個々の能力は中国が上」という発言に同意はできない。 例えば、某スポーツバラエティ番組でやっているような、頭の上に樽を投げ上げたり、綱引きをしたり、見上げるような跳び箱を飛び越えたりするのならば、中国選手のほうが能力は上かもしれない。だが、ピッチ上で展開されているのは、サッカーなのである。U-21代表とはいえ、すでにJリーグでポジションをつかんでいる選手も多く、試合運びにもどこか余裕が感じられた。 ただし冒頭でも述べたように、はっきりさせておかなければならないのは、日本が90分を通して優勢にゲームを進め、中国を圧倒したわけではない、ということだ。 特に注目すべきは、2試合に共通して、試合序盤は中国が優勢に立っていたという点である。反町監督をはじめ、選手からも「その時間帯に失点していたら、試合がどうなっていたか分からない」という発言が聞かれたが、まさにその通りである。 押されながらも持ちこたえ、巡ってきたチャンスをきっちりと生かして、勝ちきる。彼らのしたたかな勝負強さは認めるものの、そんな理想的な展開ばかりを見せられると、内に隠れているであろう弱さが、いつか肝心なところで噴き出すのではないかと、老婆心ながら、逆に不安になるのである。 先制されたらどうなるのか。あるいは、競ったまま試合終盤を迎えたらどうなるのか。 反町体制が立ち上げられ、2連勝と順調な滑り出しを見せたU-21代表。チーム立ち上げ直後としては、十分合格点をつけていいだろう。ただし、楽な試合しか経験していない、という意味では、まだまだ確認すべき点はたくさんある。 となると注目したいのは、11月14日、21日にホーム&アウェーで行なわれる韓国との2連戦である。 韓国のU-21世代といえば、2年前のアジアユース選手権で優勝を果たしたアジア王者(日本は準決勝でPK戦により敗戦)。昨年のワールドユース選手権でも、ブラジル、ナイジェリア、スイスと同居するという“死のグループ”にあって一次リーグ敗退に終わったものの、その後準優勝したナイジェリアには勝利するなど、その実力を示している。しかも、当時のメンバーの中から、すでに今年のワールドカップに出場したA代表に朴主永、白智勲、金珍圭が加わっている。名実ともに、同世代のアジア最強チームと考えていいだろう。 U-21代表の現在の力を評価するのは、韓国戦が終わってからでも遅くはない。中国が相手では計りきれなかった現状を知るには、まったく申し分のない相手である。 |







