ニッカンスポーツ●撮影 photo by nikkan sports
第32号(2008年1月29日)【プロ野球】今季の活躍もキャンプ次第〜2008プロ野球キャンプ・注目若手選手
さて、今年もキャンプの季節がやってきた。
計算されたベテランの仕上がり具合を見るのも楽しみだが、やはり活きのいい若手の成長に目を奪われるのがこのキャンプである。
年明けからの報道を見ていると、引き続きキャンプでも主役は中田翔(日本ハム)となりそうだが、果たしてその実力はいかに。
高校3年夏の段階のバッティングを思い出せば、プロ1年目からの活躍は極めて難しいと思われた。ただ、そこから半年余りの間でどう成長し、さらにこれからの実戦練習の中でプロのボールにどう対応していくのか。プロとして生き抜いていくために極めて重要な対応力の高さ、低さといったものが垣間見えるのがこのキャンプ、それに続くオープン戦。1度やられても2度目はどうか。3度やられても4度目はどうか。当面は苦労して当然だが、問題は失敗のあと。中田の対応力、修正能力を見極めたい。
同じくルーキーでは佐藤由規(ヤクルト)の動向も気になるが、ここでは今年大きな飛躍が期待される2年目、それも高卒の選手たちにスポットを当ててみた。
2年目の代表格はもちろん田中将大(楽天)。
オフの間も地元兵庫に戻り、年明けからは140km級の球をビシビシ投げ込んでいた。昨年同様、自主トレから飛ばしている。合間には上戸彩とのCM競演や北海道でのトークショー、各表彰式への出席など多忙なオフでもあったが、浮かれている感じは皆無。2年目のシーズンへ向け、修正すべき点は修正し、維持する点は維持する。そのあたりを確認しながらのキャンプになるだろう。昨年の課題だったクイックモーションにしても、徐々に体に馴染ませながら、今年はレベルアップしたものを見せてくるはず。頭と体、どちらのバランス感覚も非常にいい。怖いのは故障だけだ。
その田中の同期として、まず今年期待したいのが前田健太(広島)。
本来、ピッチャーとしてのセンスなら田中と同等か、それ以上のものを持っている好素材。昨年は1年間、ファームながら高卒の新人としては両リーグNo.1の103回2/3(20試合)を投げ唯一、規定投球回数をクリア。勝ち星は5つだったが、大きな故障なくローテーションを守り通した点に非凡さがうかがえる。細身ながらスタミナ、体の強さは折り紙つき。昨秋の段階で首脳陣からは「ウチでスピードなら大竹に次ぐ」と太鼓判をもらっていたが、このキャンプでは高校時代は苦手としていたスライダー(タテ系)に磨きをかける。タテのカーブに続き、細かく変化する球種が増えれば、今季を黒田の後を次ぐ次代のエースに名乗りを上げるシーズンとできるかもしれない。大事なキャンプになる。
増渕竜義(ヤクルト)にも2年目で大きな飛躍が期待される。
昨年は開幕1軍切符を掴み、初登板で好投を見せたがその後は肩痛もあり2軍暮らし。終盤にもう一度、1軍に挙がり初勝利を挙げシーズンを終えたが、向かってくるストレートの威力にスライダーのキレは1軍クラスのもの。体力的に問題がなければ、グライシンガー(巨人)、藤井(日本ハム)らが抜け手薄になった1軍枠に十分入ってくるだろう。
続く2年目の注目株は大嶺祐太(ロッテ)。
キャンプでは今年から1軍キャンプ地となった石垣島への凱旋となるが、こちらも小林雅(インディアンス)、薮田(ロイヤルズ)、藤田(巨人)らが抜けた1軍枠争いに入ってくるだろう。昨年のキャンプ終盤には田中とも投げ合ったが、その時点でのボール、ストレートの勢いではこちらが上だった。課題は変化球のレベルアップとコントロールの向上と明快なだけに、キャンプでの成長ぶりが見もの。ちなみに昨年のイースタンでは14試合を投げ、イニング数(72回)を上回る74三振を奪った。勝ち星こそふたつ(7敗)だったが、器の大きさを感じさせた。
完全な1軍戦力となった吉川光夫(日本ハム)の2年目も忘れてはいけない。
昨年は5月半ばに1軍昇格を果たすと、19試合に投げ完封を含む4勝。当初、コントロールに課題を持っていたが、想像を超えるスピードでの成長を見せた。日本シリーズでは敗戦の悔しさも味わったが、それもまたバネとし、一気にリーグを代表する左腕にまで成長する可能性を秘める。前年5勝から大きな伸びを見せた成瀬(ロッテ)のあとに続くか。順調にキャンプを消化できれば楽しみは増す。
ざっとではあるがキャンプの見どころとして注目の若手選手を取り上げてみた。ファンとしても、大いに身勝手な想像を膨らませながら、ひいきチームの有望株の成長を見るのがこの時期の楽しみのひとつ。その期待が現実のものとなれば、ペナントレースへの興味も一段と増すことだろう。果たして飛び出すのはどの選手か。キャンプ情報から目が離せない。







