ソアレスと1日中遊んだ翌日、一行はアムステルダムへと足を運んだ。
ロッテルダムセンターステーションからアムステルダムセンターステーションまで列車での移動となる。
ところがこの列車、本来なら乗り換えなしでアムスに到着するはずが、故障だかストライキだかわからないが、途中で降ろされ、計2回の乗り換えをしなければならなくなった。
この列車、通訳の中崎さんがおばあさんを先に乗せようとしたら乗り遅れ、僕達は中崎さんがいなくなって右往左往しそうなところだったか、ちょうど新田さんが、昨日知り合ったベルギーから留学中の日本人のQちゃんという男性と偶然乗り合わせたので事無きを得た。
列車の中からの風景はとても素晴らしくて思わずオランダまで持ってきたFOMAで動画撮影をし、「世界の車窓から〜」とかいいながらナレーションつきで調子こいて撮影していたら携帯を落とした・・・。ちなみに日本に帰って速攻で新規で携帯を変えたのだが、3日後また落とした・・・罰金二万円・・・。
何かに憑かれているのか・・・。
アムスに着いて一向はそれぞれの時間を楽しんだ。
バラバラに個人で遊んだり、僕は新田さんと二人で買い物しながらキック談義をしたり、アホな話をしたり、一人で歩き回ったりもした。
次の日、去年の11月のオランダ遠征(VS フィクリ戦 判定負け)でお世話になったチャクリキの会長のアーウィンさんに挨拶をしに、会長と山口先生と中崎さんでドージョーチャクリキに行った。
アーウィン会長は僕達の訪問を快く受け入れてくれて、僕の最近の活躍やチャップマン戦の展開などを聞いてきてくれた。チャクリキのガウンまでプレゼントしてくれて本当に嬉しかった。
ただ去年僕がとても気に入った犬のデイシーがいなかったのは残念だったが・・・。
今回の遠征記の題名をつけた最大の理由は去年のオランダで負けた試合にある。
このアーウィン会長が主催するシリーズの大会名は「VICTORY OR HELL」(栄光か地獄か)である。チャルムサックに勝って歯車が狂い、どうにもこうにも精神的におかしく、自分自身迷いながら試合をしていたこの頃、フィクリ戦が決まった。案の定そんな自分さえ信じることのできない自分がオランダの英雄に勝てるはずもなく僕は接戦の末判定で負けた。
流れというものは怖いもので日本に帰ってからも立て続けに地獄に落とされるようなことが続き、僕は失意のどん底にいた。まさに地獄に落ちたのである。
だがアムステルダムから日本に帰国する際、空港まで送ってくれたアーウィン会長に、僕は正しいかどうかもわからない英語でこうさよならを告げた。
「I will come back soon from hell. See you again.」
そして僕は1年後確かに地獄から戻ってきた。
「僕は去年のあなたの興行VICTORY OR HELLで文字通り負けて地獄に落ちたけど、1年たって栄光を掴んで戻ってきました。ありがとうございました。」
この1年で、よくよく自分を見つめ直すのに一生懸命になっていたからこそ、自分でも驚くほど、強くもなれたし、優しくなれたと思う。それもこれもアーウィン会長や、そしてなによりあの人のおかげだろう。ありがとう。
オランダで失った大切なものは取り戻した。
じゃあ次は・・・
まだまだこんなところじゃ満足してられない。もっと先へもっと上へ・・・。
来年も生き急ぎます。
〜終り