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夢穂を「みずほ」と読む。なでしこジャパンのボランチ(ポルトガル語で操縦かんの意味)、阪口夢穂(24=アルビレックス新潟レディース)は、攻撃の要・沢穂希(INAC神戸)を存分に活かし、堅い守りを束ね、さらに強豪との激しい駆け引きを求められるこのポジションの楽しさを、分かり始めたという。2012年は全日本選手権の決勝に初めて進出。代表の佐々木則夫監督が、今後10年にわたって、なでしこをけん引する選手と期待を寄せるMFは、なでしこの悲願、ロンドン五輪での金メダルに向けて、文字通り「操縦かん」をしっかりと握っている。
(取材・文:スポーツライター 増島みどり)
『ロンドンも、今のままでは、まだ足りない』
――もう何度も聞かれていると思いますが、ロンドンの目標、今の手応えなどお聞かせ下さい。

阪口夢穂 年明け(2月)から早くも、3つの世代で大人数での合同合宿が始まります。下の世代には、本当にテクニックのあるうまい子たちがたくさんそろっていますし、W杯優勝やロンドン出場が決まったことで、若い選手たちのモチベーションが今まで以上に高くなっている。こうした、下からの押し上げに負けないようにしなければなりませんよね。W杯では全試合で先発出場をしましたが、今は、常にレギュラーで出られる保証なんてありません。正直、今のままでは、ロンドンの目標を口にするだけの場所には、まだ立っていないように思っています。
――厳しい自己評価ですね。
阪口 ロンドンへの出場は決めましたが、選手として行けるかはまだ分からないのですから、あまり威勢のいいことは言いたくないんです。ロンドンでメダルを獲ることを目標にやってきましたし、W杯優勝もゴールじゃなくてその途中の出来事なんだってみなが思っています。だから、W杯で優勝できた自分が当たり前のようにピッチに立っている、とはまだ想像できないんです。もう一度、厳しい競争に勝って、先ずロンドン五輪の代表に選ばれること。これが目標です。
――そうなると、ご自分のプレーの持ち味をさらに意識して磨いていくことになりますね。昔は、このポジションもなじめなかったそうですね。
阪口 代表では以前、大先輩がいたポジションでしたから。「経験も技術もない私がどうして先輩を差し置いて? ちっともうまくないのに」という思いをずっと抱いていました。試合に出るにも気が重くて、正直少しも楽しくなかったんですね。ですから、北京五輪のことって、あまり思い出せない。ドイツW杯に入ってからさえも、そんな気持ちはどこか心の片隅にありましたし、消極的なプレーに気持ちが表れていたんではないか、と。
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