<オリックス2−3西武>◇9日◇京セラドーム大阪
打球はフラフラと内野の頭を越えてレフト前にポトリと落ちた。7回1死で許した不運な初安打。ノーヒットノーランを期待したファンからため息がもれた場面を、西武岸は人ごとのように笑って振り返った。「特に何も…。8回や9回だったらアッと思ったかもしれないけど。野手の皆さんの方が意識してたんじゃないですか」。ショックを引きずることなく後続を抑え、この回を終わって123球。渡辺監督から「お疲れさん」と肩をたたかれた。
立ち上がりの失点癖を克服するため、荒れ球を最大限に活用した。ボールが先行しても、捕手が構えるところに投げられなくても、腕を振る意識だけは持ち続けた。直球に威力があれば、変化球も生きる。これまであまり使わなかったチェンジアップも効果的に織り交ぜて、快投につなげた。2日(ロッテ戦)の2安打完封に続き、7回1安打無失点で4勝目。16イニング連続無失点の岸は「できれば最後まで投げたかったけど、徐々に調子は上がってきた」と、さらなる飛躍への手応えもつかんだ。
月が変わって調子を上げてきた岸と同様に、チームも5月は7勝1敗。苦手にしていたロードも8勝8敗のタイに戻した。首位を独走する渡辺監督は「いい戦い方ができている。すごく投打がかみ合っている」と満足げにうなずいた。残る心配事は1つだけ。ヒーローインタビューで、岸がチーム全員の気持ちを代弁した。「西口さんにも早く1勝をつけてあげたいです」。10日、先発陣でただ1人未勝利のベテランに白星がつけば、西武に死角はなくなる。【広瀬雷太】
[日刊スポーツ:2008/05/10 09:57]
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